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2009年06月03日
公開情報から見るNHK ~放送番組審議会は「JAPANデビュー」をどう評価したか?!~
NHKには、放送法 第三条の四に基づき「放送番組審議機関」を設けることが定められており、それにのっとって『放送番組審議会』という組織があります。毎月、その月に放送された番組に対する意見などを聞く場になっており、議事概要がNHKのHPに月毎に公開されています。
過去の議事概要を見ていると、個別の番組に対して意見が出されているので、4月5日に放送された「JAPANデビュー」第一回 アジアの“一等国”に対してどのような意見が出るのかと思っていました(批判が出ることを期待しつつ・・・)。
そこでようやく、6月2日(火)に4月分の番組審議会議事概要が公開されたので、「JAPANデビュー」に対してどのような意見が出たのか紹介します。
ちなみに放送番組審議会は、「中央」「国際」「北海道地方」「東北地方」「関東地方」「中部地方」「近畿地方」「中国地方」「四国地方」「九州地方」に分かれて存在し、議事概要もその区分で公開されています。
●NHK経営情報HPより
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※NHKスペシャル JAPANデビュー に関する意見部分のみを抜粋。
【NHK中央放送番組審議会】
■平成21年4月20日(月)
■出席委員 計15名
<放送番組一般について>
○「プロジェクトJAPAN」は、NHKが勝負に出たという感じでいかにも力が入っている。4月4日(土)の「プロローグ 戦争と平和の150年」は見事な出来で、ハーグの国際司法裁判所の話など知らなかったことが多々あった。ただ、後半部分はだれた感じがした。
○4月5日(日)のNHKスペシャル JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」は、非常にリベラルな見方を打ち出していて、見方がはっきりしているというのは結構なことだと思う。そうであるだけに、テレビの場合はファクトに語らせて、なるべく説教的なところは避けるとよい。台湾の取り上げ方についてはいろいろな見方があるかもしれないが、NHKが腹を決めてよく映したという気がした。
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【NHK北海道地方放送番組審議会】
■平成21年4月15日(水)
■出席委員 計9名
※JAPANデビューに関する意見の記載無し
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【NHK東北地方放送番組審議会】
■平成21年4月16日(木)
■出席委員 計9名
<放送番組一般について>
○4月5日(日)のNHKスペシャル JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」は、反日的な視点が強かったように思う。両方の価値観を伝えるべきではなかったのか。
○4月5日(日)のNHKスペシャル「シリーズ JAPANデビュー」と4月12日(日)のETV特集「鶴見俊輔 ~戦後日本 人民の記憶~」を視聴して、人民の記憶を記録していく作業はメディアの大きな役割であると痛感した。
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【NHK関東甲信越地方放送番組審議会】
■平成21年4月17日(金)
■出席委員 計9名
<放送番組一般について>
○4月5日(日)のNHKスペシャル JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」は、いままで台湾の人たちの話を聞く番組をあまり見たことがないので、たいへん新鮮に受け止められて、いい番組だった。今度はロシアで、正面から取り上げる番組が増えてくるとたいへんありがたい。
○日本人は、台湾の事を意外と知らないので、NHKスペシャル JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」によって、長いスパンで台湾と日本の関係を見せてくれたのは、新鮮味があった。ただ、台湾は、以前から民族による階層的な統治機構をもっていたということを番組で強調すればよかったのではないか。
○NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」は、本当によくできた番組だ。ただ、もっとすばらしかったのは、4月4日(土)のプロジェクトJAPAN「プロローグ 戦争と平和の150年 -第1部 法による支配をめざして-」だ。ハーグ国際司法裁判所の安達峰一郎は、世界の平和というものを考えて当時の日本政府と反対のことを言っていた。こういう人が戦前にいたということ自体、私は知らなかった。番組では、安達峰一郎から現在の憲法9条に至るまでの過程まで追いかけられており、本当にすばらしかった。
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【NHK中部地方放送番組審議会】
■平成21年4月17日(金)
■出席委員 計11名
<放送番組一般について>
○4月5日(日)のNHKスペシャル JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」は、半世紀に及ぶ日本の台湾統治の変遷を丹念な取材で詳しく描いていた。民族自決主義が世界の潮流となる中で、日本だけが同化政策を推し進め柔軟に対応できなかったことなどの問題を浮き彫りにしていた。
○NHKスペシャル JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」は、50年間にわたって台湾を植民地として統治してきた日本の光と影を多角的に紹介していた。過去と向き合う中から、日本はこれからどうしていけばいいのか、そのヒントを伝えていたように思う。次回も期待したい。
○3年間にわたる大型企画「プロジェクトJAPAN」がスタートしたが、歴史の中に未来へのヒントを探るというこの企画はたいへん興味深く、今後が楽しみである。
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【NHK近畿地方放送番組審議会】
■平成21年4月15日(水)
■出席委員 計8名
<放送番組一般について>
○4月5日(日)のNHKスペシャル JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」は、見応えがあった。日本の歩みを世界の動きの中でとらえ直す観点はとても重要であり、アジアの“一等国”を目指した日本が台湾を足がかりに何をしてきたかを検証する試みは、これから日本とアジアや世界との関係を考える上で意味を持つ。ただ、歴史の検証は簡単なことではない。NHKだけでなく、研究者や海外の人たちとともに検証の視点を形成するのが大事だと思う。また、日本の中学・高校教育では近代史をきちんと教えていないので、こういう番組こそ若い人に見てほしい。国際放送を通して、アジアの人にも見てもらいたい。NHKには、高い視点で今の時代に必要なメッセージを発信してほしい。
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【NHK中国地方放送番組審議会】
■平成21年4月16日(木)
■出席委員 計10名
<放送番組一般について>
○4月4日(土)からはじまった「プロジェクトJAPAN」に非常に期待している。「世界の歴史のつながりの中で、日本はどう動いてきたのかを明らかにしたい。その中にこそ日本が進むべき道を考えるヒントがある。」という番組プロデューサーの発言もあったが、今後、3年間にわたってドラマやドキュメンタリーなど多彩に展開される番組によって、どのように日本の進むべき道が明らかにされるのか、注目していきたい。
○プロジェクトJAPANは、「NHKスペシャル」や「ETV特集」、「坂の上の雲」など、番組のジャンルを横断した3年間にわたるプロジェクトということだが、タイムリーな企画で、大いに期待している。4月4日(土)の「プロローグ 戦争と平和の150年」を見たが、憲法と安全保障といったアップ・トゥ・デートな問題を近現代史的な視点からアプローチしている点は興味深く、勉強になった。
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【NHK四国地方放送番組審議会】
■平成21年4月20日(月)
■出席委員 計9名
※JAPANデビューに関する意見の記載無し
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【NHK九州地方放送番組審議会】
■平成21年4月16日(木)
■出席委員 計10名
<放送番組一般について>
○4月5日(日)のNHKスペシャル JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」は、明治以降の台湾統治の歴史を中心に、欧米列強を手本に近代化を進める日本の姿を描いた、見どころの多い番組であった。
(NHK側)
「プロジェクトJAPAN」は3年かけて取り組んでいく予定の大型企画。今年は横浜開港から150年、来年は韓国併合から100年、その翌年は太平洋戦争から70年・サンフランシスコ講和条約から60年と、いずれも近現代史の節目を迎える年になる。NHKスペシャルやスペシャルドラマ「坂の上の雲」など、さまざまな関連番組を放送し、近代日本を世界史的視点から検証していく。
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・・・ということでした・・・。溜息しか出ません。
ちなみに、この放送番組審議会の委員はどのような人がなっているかというと、各種企業の代表、NPOなどの民間団体代表、弁護士、新聞社の論説委員や編集局長、作家、イラストレーターなどなど。NHKのHPで直接PDFを見ていただければ名前もちゃんと出ているので、各自でお確かめください。しかし、この議事概要には発言者が誰かは書かれていません。
そもそもこの放送番組審議会のメンバーに偏りがあるとは思いますが、それこそ各界においてそれなりの地位にあり、権威があり、ある程度の見識を持った方々のはずである。それが、今回の4月分では「国際」を除く、総勢90名の中から「JAPANデビュー」に対して批判的な意見が1件だけ。それどころか、賞賛や期待を述べた意見が13件であった。意見のあった人だけが見ていたとしても1/14しか批判が出ていないことになる。
しかし、これはある意味で現実なのかもしれません。番組を見た人の中でもちゃんと批判できる人は15人に1人くらいなのかもしれません。チャンネル桜が検証番組を流したことによって「+数人」にはなっていると思いますが。
それにしても、あんなあからさまな「プロパガンダ」を見て、素晴らしいなどと言っている人は「確信犯」なのか、それとも批評眼など持ち合わせていない「ただのバカ」なのだろうか。いずれにしても、「考査室」に続き「放送番組審議会」にも期待できるものはないということがはっきりしました。
現在、このようなある程度のポストについている世代といえば団塊の世代が中心だと思いますが、戦後日本の壁の厚さを実感します。NHKに抗議の声を上げる我々はやはりまだまだ少数派であることを認識し、なんとかこの「戦後日本」という厚い壁を突き崩していかねばならないと思いました。
投稿者 zunichi : 2009年06月03日 02:32
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